https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30763130R20C18A5XA0000/
実証を進めるトラックの隊列走行

日野自動車は21日、自動運転技術の今後の開発計画を公表した。緊急時に人の関与が求められる
「レベル3(条件付きの自動運転)」段階の自動運転を2022年ごろをめどに順次搭載していく。
高速道路などに走行場所を限定した「レベル4(条件付きの完全自動運転)」段階の技術を搭載した
商用車については25年以降の実現を目指す。
「商用車の自動運転は安全と(人手不足などの)社会課題に貢献する技術だ」。遠藤真副社長は同日、
羽村工場(東京都羽村市)で開いた自動運転技術に関する説明会で強調した。
商用車の自動運転で注目されているものの1つに、高速道路でのトラックの隊列走行がある。
輸送コストを大幅に下げることができるからだ。まず22年ごろに、ハンドルに手を添えて常に運転に戻れる
状態での自動運転の実証走行をおこなう。この段階では先頭車両も後続車両も人を乗車させたままだ。
25年以降には、後続車両を無人にした隊列走行ができるようにする。
商用車は乗用車とちがい、荷台が無線通信の障害になったり、内輪差が大きかったりなど特有の事情がある。
そのため市街地での自動運転は課題が多い。北沢啓一常務役員は「限定された区間での完全自動運転を目指す」
とした。
運転手が急病になったときにバスが自動停止するシステムも発表した。運転手が正常な運転をできなくなった場合、
乗客が車内のボタンを押すとセンサーが道路の白線をとらえ、路肩からはみ出さないように自動停止する。
大型観光観光バス「日野セレガ」に搭載し、今夏に販売する。この機能を発展させて、車内カメラで運転手の状態を
自動検知したり、車を路肩に寄せたりできるようにするという。
(川上宗馬)