信頼性の低い抗体検査があふれている、米国で問題
経済を再開するには正確な検査が欠かせない
2020.05.13
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/051300290/
新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出制限の緩和や経済活動の再開をめぐって賛否が分かれるなか、
既にウイルスに感染して抗体を持っている人が実際にどれくらいいるのかを調べる動きが加速している。
パンデミックの規模を正確に把握すべき理由は様々あるが、本当の致死率(全感染者のうちの死亡者の割合)を知り、
どれだけの人が免疫を獲得できているのかといった疑問に答えることもできる。
それらは、この先やってくるであろう第2波、第3波に備えるためになくてはならない情報だ。
その土台として注目されているのが、抗体検査だ。
侵入してきた病原体と戦うために体の免疫系が作るたんぱく質を調べる抗体検査は、無症状感染者も発見できる。
その抗体検査を使った初期の調査結果では、かなりの感染者がPCR検査で見落とされていた可能性が示唆されている。
しかし、報告される数字には大きな開きがある。
たとえば感染拡大が深刻だった米国ニューヨーク市では21%の被験者が抗体を持っていたことが判明したが、患者が少ないスイスのジュネーブでは約6%だった。
地域差があるのは想定通りだが、結果がばらつく原因はほかにもある。調査結果を急いで公表しようとしたことも一つの原因であるし、さらに言えば検査そのものにも問題があった。
新型コロナウイルスの検査は今、無法地帯になっていると専門家は言う。
緊急時ということで規制が緩和され、正確性が低く認可もされていない検査が市場に氾濫しているためだ。
それに加えて、データの収集法や検査結果の解析法に問題があれば、誤った感染者数の推計が導かれる確率が高くなる。
通常なら専門家による査読で拾われるはずだが、世界中がパンデミックの抑え込みに必死になっている今、
プレスリリースや査読前のプレプリント論文だけに頼った解釈が広がってしまっている。
経済を再開するには正確な検査が欠かせない
2020.05.13
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/051300290/
新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出制限の緩和や経済活動の再開をめぐって賛否が分かれるなか、
既にウイルスに感染して抗体を持っている人が実際にどれくらいいるのかを調べる動きが加速している。
パンデミックの規模を正確に把握すべき理由は様々あるが、本当の致死率(全感染者のうちの死亡者の割合)を知り、
どれだけの人が免疫を獲得できているのかといった疑問に答えることもできる。
それらは、この先やってくるであろう第2波、第3波に備えるためになくてはならない情報だ。
その土台として注目されているのが、抗体検査だ。
侵入してきた病原体と戦うために体の免疫系が作るたんぱく質を調べる抗体検査は、無症状感染者も発見できる。
その抗体検査を使った初期の調査結果では、かなりの感染者がPCR検査で見落とされていた可能性が示唆されている。
しかし、報告される数字には大きな開きがある。
たとえば感染拡大が深刻だった米国ニューヨーク市では21%の被験者が抗体を持っていたことが判明したが、患者が少ないスイスのジュネーブでは約6%だった。
地域差があるのは想定通りだが、結果がばらつく原因はほかにもある。調査結果を急いで公表しようとしたことも一つの原因であるし、さらに言えば検査そのものにも問題があった。
新型コロナウイルスの検査は今、無法地帯になっていると専門家は言う。
緊急時ということで規制が緩和され、正確性が低く認可もされていない検査が市場に氾濫しているためだ。
それに加えて、データの収集法や検査結果の解析法に問題があれば、誤った感染者数の推計が導かれる確率が高くなる。
通常なら専門家による査読で拾われるはずだが、世界中がパンデミックの抑え込みに必死になっている今、
プレスリリースや査読前のプレプリント論文だけに頼った解釈が広がってしまっている。