
「入院する前日、秋田大学が主催した医療フォーラムに特別ゲストとして参加したのが、渡辺さんの最後の仕事でした。
ところが渡辺さんは秋田入りした時点で既に熱が出ていたと、郁恵さんは渡辺さんのマネージャーから連絡を受けていた。新型コロナの簡易検査を受けて陰性だったことと、頼まれた仕事を断らない夫妻の人の良さが災いし、そのまま医療フォーラムの仕事を続けた。
翌日、顔面蒼白でふらついているのを次男が発見し、郁恵さんに付き添われて入院しました。そしてそのまま、帰らぬ人となってしまったということです」
医療フォーラムを主催したのは秋田大医学部、医学部附属病院などだった。これを疑問視するのが、医療ジャーナリストの那須優子氏だ。
「子供から大人まで行動制限を強いられているのは、渡辺さんのような持病のある人が新型コロナで重症化し、亡くならないためです。
専門家や医師会が『人命がかかっている』と言うから、芸能界や音楽業界、飲食業界、小売業界は絶望的な損害を出し、経済苦で自死した人もいる中で3年間、耐えてきた。
ところが人工透析を受けていて、2度も心臓の手術をした渡辺さんが体調不良を訴えていながら、秋田大学の医師たちが揃いも揃って仕事を続けさせたというのは、あまりにボーンヘッド。
人道的にも大いに問題があります。渡辺さんの死因の敗血症は、いったん全身に細菌が回ってしまうと、手の施しようがない。時間との戦いです。
我々国民には行動自粛を促し、若者には帰省するな、成人式もやるなと言っておきながら、医師がコロナ第8波の渦中に病人を駆り出してまで、不要不急のイベントを開く。言っていることとやっていることがデタラメです」
那須氏によれば、秋田県は短命ワースト1~2位、自死率もガン死亡率も脳血管疾患死亡率もぶっちぎりの全国ワースト1位だという。
「糖尿病患者が発熱したら、コロナやインフルエンザ以外に真っ先に敗血症を疑うのは、基本中の基本。秋田県民が短命なのは塩分糖分の多い食生活の影響だと言われていますが、医療水準の低さも影響しているのでは」(前出・那須氏)
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